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ギャラリーの休みが変わりました。

月・火〔19,20/26,27〕休み

日曜日はオープンしています。

堤 康 博 作 品 展

YASUHIRO TSUTSUMI

2026.10.13(Tue)-10.31(Sat)

Open 12:00-18:00

Close Mon/Tue 

Closed ⇒ 19[mon] , 20[tue]

Closed ⇒ 26[mon] ,27[tue]

◆作者メッセージ
 初のGALAでの個展となる本展では、2つのシリーズを展示いたします。
「何ものでもない」と定義されたものの存在を可視化するアクリル画の「nils」シリーズ。そして、私の原風景や記憶をたどりながら、キャンバスの上で「描いては削る」という行為の反復を繰り返す油彩画の「離」シリーズです。
手法も素材も異なる2つのアプローチですが、どちらも目に見える景色を写したものではなく、制作のプロセスの先に見出された表現の核となる景色です。
空間の中でそれぞれの作品がどのように響き合い、皆さまのなかにどのような景色が立ち上がってくるのか。
どうぞ肩の力を抜いて、自由な感覚で心ゆくまでお楽しみください。 2026年9月 堤康博

◆ギャラリーオーナーズコメント
『堤康博 作品展 nils ゼロを数える』に寄せて
「ゼロを数える、ひとつひとつ、ゼロを数える、ひとつひとつがある。」アートプロGALAにて初開催となる本展で、堤康博氏が提示するのは、一見すると存在しないかのように思える「無」や「記憶のひだ」に光をあて、その存在を可視化する試みです。
本展では、2つの対比的なシリーズが展示されます。 幾重にも重ねられた色彩の層に規則的な垂直のラインを刻み、「何ものでもない」はずの空間に固有の存在感を立ち上げるアクリル画の「nils」シリーズ。そして、風化させた壁面や時間の堆積を思わせる重厚なマチエールの上に「描いては削る」反復を重ね、幼少期の記憶や素材の手触りを削り出す油彩画の「離」シリーズ。幾何学的な静寂と、泥や錆を思わせる生々しい物質感。
手法も表現も異なる2つのアプローチですが、その根底には、目に見える風景の描写を超えた、堤氏の「表現の核」が流れています。
「ゼロ」という何もない地点から紡ぎ出される作品群が、ギャラリー空間でどのように響き合い、皆様の心にどんな景色を呼び起こすのか。
皆様のそれぞれの自由な感覚で心ゆくまでご高覧ください。
2026年9月 アート プロ ガラ 主宰 たなか照未

◆アーティストステイトメント
【絵を描く上で、自身の核になるものとは】

1.「写すこと」への衝動と葛藤幼少期より絵を描くことが好きで、家にいる時は大半の時間を制作に費やしていた。動物の写真や漫画の主人公、怪獣、ロボット、あるいは好きな食べ物など、眼の前にあるものを写し取り、再現することに純粋な喜びを見出していた。しかし、絵を通じて自身の思想を表現したり、メッセージを社会に発信したりすることは極めて苦手であった。「描くだけで楽しい」という衝動だけでは許されない学校の美術教育には馴染めず、自身の創作スタイルに強いコンプレックスを抱きながら悶々と活動を続けていた。転機は大学卒業後、就職先の京都で訪れる。盲学校の無眼球児童が作った一つの小さな粘土作品に深い感銘を受け、自身の創作の方向性を直感した。「他者から与えられたものではなく、自分自身の世界を描きたい」という衝動がここから始まった。

2.「自身の核」を模索した抽象への移行
1992年より、九産大・酒井研究室の卒業生によるグループ展に参加を始める。自身が日々体験したことや、内面に抱える不安や焦燥感などの感情を、目にした風景と再構築し、作品制作を通して自分自身に近づこうと試みた。しかし、求めている核心のすぐ近くを、ただかすめ続けるようなもどかしい感覚が長く続いた。そうした試行錯誤と苦悩の末、2008年頃から作風は徐々に抽象表現へと移行していく。

3.「美しい」との出会い
その後、古民家を再生した「画廊カンヴァス」の画廊主池田氏の勧めで個展を開催。漆喰の壁に自作を展示したことをきっかけに、古いものや時間の堆積への関心が高まる。さらに、目黒の「古道具坂田」の店主坂田和實氏による著書『ひとりよがりのものさし』に出会い、そこに綴られた「美しい」という言葉の本質が脳裏から離れなくなった。自分にとっての「美しいもの」とは一体何なのか、その答えを模索し始めた。

4.「描いては削る」原風景と手のひらの記憶
昭和40年代、高度経済成長に伴い大気汚染と水質汚濁が国内最悪レベルに達していた北九州市に私は生まれた。
その工業都市の片隅にあった空き地で、幼い頃に拾ったきれいな石ころや錆びたボルト、キラキラした小さな真空管、泥団子や昆虫を手のひらで包み込んだあの感触。
工業の発展とその後の衰退、活気を失い閑散としていく街の姿──。破壊と再生が混在する違和感、今もずっともがき続ける街の景色と、私の手のひらに静かに刻まれた感触の記憶が私の「美しいもの」の原点であり、現在の表現の根底に流れている。

現在の私の制作手法は、描いては削り、削ってはまた描く行為の反復である。重ねられた絵の具の手触りと、削り取られた痕跡が交わるキャンバスには、現在と過去が混在し、独自の時間が刻ましていく。それは何かを写した風景ではなく、描くことと削ることを重ねた先に見出された景色であり、自身の記憶や感覚と響き合いながら、私自身をまた新たな景色へと導いてくれるのである。

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